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ヤマハFZ250 PHAZER(フェーザー)1985年式 レストア記

ルノークリオ4(欧州仕様)& ルーテシア4(日本仕様)R.S. 同時試乗比較レポート(3)~ミッション編~

2014.04.24

写真 2014-04-20 10 37 16
(ルーテシア4 R.S 日本仕様)

仕様編、走行編に引き続き、トランスミッション編です。新開発の6速DCT、EDCの実力はいかに。

ルノークリオ4(欧州仕様)& ルーテシア4(日本仕様)R.S. 同時試乗比較レポート(2)~走行編~【ワンダードライビング】

6速DCT、EDC

まずEDCの構造、仕組みを動画でどうぞ。

Clio R.S. 200 EDC - Renault Sport - Renault France

Overview - Clio Renaultsport 200 Turbo EDC - Roadcars - Renaultsport.co.uk

DCTといえば常にスタンバイしている次のギアを2つのクラッチを瞬時に切り替えることで素早いシフトチェンジができるのが売り。トルクコンバーターのフルードやCVTのベルトのように「ふにゃん」としがちなものに対し、ギアがかっちりと噛み合って地面を蹴る感覚はコンベンショナルなマニュアルトランスミッションに共通し、Audi/VWをはじめ多くのメーカーが採用するに至ります。

一方で初期のDCTは低速、ATで便利なクリープ現象がない、半クラッチの制御がうまくなくギクシャクするといったデメリットもありました。ルノーが投入したEDCはどうでしょうか。

アクセルレスポンスに続き、オートマもマイルドでまるでトルコン式ATのような柔らかさ。マイルドなつなぎで低速域でもギクシャクするような不自然な動きはみられません。普通のトルコン式ATやCVTに近いフィーリングです。

ただしクリープはほとんどなく、走りだすには多めにアクセルを踏み込む必要があります。スバルや日産にあった初期のCVTのような感覚でしょうか。オートマのクリープに慣れていると動かないことに対して逆にむずがゆい感じもします。

パドルをつかってシフトアップ、ダウンするとピタリと回転数が合い、ショックも皆無。これはDCTの美点、特にアクセルオフでブリッピングし、ダウンシフトを行ったときのエキゾーストサウンドはその気にさせてくれます。

またドライブモードの切り替えにより、シフトチェンジ時間も切り替わるとのことでしたが、RACEモード主体で試乗したため、あまり気付きませんでした。

ギアレシオとパドルシフト

さて気になったのはギアレシオ。タイトな峠道を走っていると2速のカバーする範囲が狭く、あっというまにレブリミットの6500回転に達してしまいます。6000回転前後になると「ピー」という警告音、レブリミットアラームがなるのですが、これがかなり頻繁に発生。

またオートマモードではコーナリング直前やコーナリング途中でレブにあたって自動でシフトアップすることがあり、フロント荷重が抜けて不安になることも。

逆にRSドライブでRACEモードを使っていたとき、追い越し加速でレブにあたって、「ブブブ」と加速できなく、かなりギア、特に1-2-3速の使い方は通常のマニュアルトランスミッションと同様に気を遣います。その理由はギアレシオにありました。

先代クリオ3RSと比較しても 1-2速のギアレシオの低さは顕著。全体減速比がNAでトルクのないクリオ3RSよりもクリオ R.S 200 EDCの方が低くなっています。このギア比、ベースモデルとなる 1.2Lターボ 120馬力190Nmエンジンと同じもので、そのため極端にローギアード設定のようです。その結果加速性能には貢献していますが、ワインディングで2速が足りなくなるという状態を生み出してしまっています。

早め早めのシフトアップ、なるべく高めのギア、峠では効率よく3速を使った方が、スムースなコーナリングができます。

そうなってくると気になるのがパドルシフトの位置。

日産GT-Rと基本同じパーツを流用、一点豪華主義的なアイテムですが、このパドルはGT-Rと同じくハンドルコラムについています。

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(日産GT-R 2012年モデル、パドルは本革巻きマグネシウム基材露出塗装)

うわっ、コンソールのボタン多すぎ? メカ少年の心をくすぐるコックピット:日産GT-R 2012年モデル試乗レポート(4)【ワンダードライビング】

パドルシフトの位置はメーカーや車種によって大きく分けて2種類、

・ハンドル自体(ハンドルと一緒に回る)
・ハンドルコラム(位置固定)

あります。これはどちらも向き不向き、考え方の相違があるので一概に良しあしは語れませんが、だいたいはこんな感じです。

ハンドルコラムについているもの(位置固定)は、

・ハンドルをあまり切らないクルマ、もしくはコース向き
・ハンドルを大きく切った場合にはシフトチェンジしない、またはして欲しくない

というものです。シングルクラッチ、大排気量の車に多く、シフトチェンジによるトルク変動がクルマの挙動を乱すことを嫌ってあえてハンドルを大きくきったときにはシフトチェンジをさせないといった配慮から来ているものです。

一方ハンドル自体についている場合は、

・ハンドルを切った状態でシフトチェンジしても大丈夫

なもので、デュアルクラッチまたはトルコン式AT、小排気量、FFに多いものです。ようはシフトチェンジした時のトルク変動が少なく、コーナリング中、大きな舵角をあてた状態でシフトチェンジしても不安定にならないクルマに多いです。

この点から考えると、確かにGT-Rと同じパドルシフト、配置というのはマニア心をくすぐりますが、クルマの大きさやパワー、ギア比を考えると実は最適化されてないように感じます。

つまりハンドル切った時にシフトチェンジができないのは不便、ということです。前述したようにギアのカバー範囲が狭いために積極的にシフトアップ・ダウンしたいわけですが、ハンドルを切った状態でギアチェンジがしにくいのです。

そうなってくるとマニュアルシフトオンリーの RACEモードよりも自動変速してくれる SPORTモードのオートマが便利なのではないかという話になりかねません。ということで、パドルシフトはハンドルについて、一緒に回ってくれた方がこのクルマには合っているのではないでしょうか。

(つづく)


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野間恒毅

スーパーカーと美女が好き。 日々RR, FR, FFと駆動方式を選ばずドライビングスキルを磨き、ドライビングプレジャーを追い求めています。リターンライダーとして大型二輪免許取得、大型バイクに乗っています。ミニ四駆、ラジコン、ドローンなどホビーも幅広くカバーしボート。個人ブログはこちら(のまのしわざ


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