ポルシェ911の作り方:DVD世界のスーパーカー工場
2014.04.03911の造られ方と言った方がいいかも知れませんが、最近改めてDVDを見て勉強しなおしました、911の工場ライン。
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911のボディ構造は
・フロントセクション(ボックス構造)
・フロア(結構平たい)
・リアセクション(ボックス構造)
からなっており、3つをバチバチっと溶接してひとつにします。ケイマン・ボクスターはこのうちフロントセクションを共有していますが、こういう分割構造だからできる技。
次に驚いたのがサイドセクション。
911はライン上にボクスターを含め、タルガやカブリオレなど屋根が開くモデルがたくさん流れます。サイドパネルをつけてはじめてカレラ、タルガ、カブリオレを作り分けできるのだそう。あれ、ボディ剛性は? と思うわけですが、どうやら剛性はフロアとサイドパネルで作りだしてルーフではそんなにとってないことが伺い知れます。実際ルーフはラインの最後の最後に接着剤かなにかでポンと取り付けていました。溶接ではないんです。
サイドパネル、ドアがついた時点、ペイントショップ(塗装工場)へ。これはいわゆるドブ付け、まるで串揚げのようにスケルトンボディを塗料たっぷりの水槽にドッポン。2度づけ禁止、ということはなく、まんべんなく行きわたるようにまるでサーカスのようにクルクルと回しながら、2回、3回とつけます。
ベースが塗れたら次に各色を塗るわけなのですが、塗装ロボットがまんべんなく塗っていきます。それは表面だけではなく、裏面まできっちりと。おそらくこの塗料だけでも相当な重量になっているはず。
塗装が終わったら最後にクリア層を塗っておしまいなのですが、当然その間乾燥フェイズがあるので、何時間かかけるし、クリア層を塗るまでの各塗装段階でチェックやら、肌調整やら色々手間かけているので、そりゃあ塗装のクオリティが高いわけです。もうこの塗装だけでヤラレルのも仕方ないというもの。ぴゅーっと吹いて、ぴゅーっと乾かしてはいお終い! みたいなのとはちょっと違いますからね。
DVDではエンジンやミッションの組み立てから内装といったところまで、色々見せているのですが、やっぱり根幹となるボディとそのペイントの部分が一番惹かれました。
991ではペイントショップをわざわざ新設、効率化を図ったということですが、より人間の手作業をロボットに置きかえたもので、工程自体は以前と同じでした。
ボディバリエーションがたくさんあるのには、こういう製造工程であるから可能なのです。