西川善司の「NISSAN GT-R」ライフ 第20回:GT-Rにドライブレコーダーを取り付ける【後編】COWON AC1の運用と活用
2013.07.10 寄稿者: 西川善司 (元記事)ちょっと間が空いてしまいましたが「西川善司の「NISSAN GT-R」ライフ 第19回:GT-Rに防犯カメラ兼ドライブレコーダーを取り付ける【前編】」の続きです。今回は実際の使用感、暗い場所での撮影画質など詳細レポートです。
COWON製のドライブレコーダーをGT-Rに取り付けたという話題の「後編」です。
さて、後編では、ちょっとクセのあるAC1の設定方法や、実際に使ってみてのインプレッションや見えてきた課題などをレポートしています。
AC1には後継製品としてAD1,AW1と言ったモデルも出てきていますが、こうした同系モデルの活用にも参考になると思います。
【連載】西川善司の「NISSAN GT-R」ライフ
第20回:GT-Rにドライブレコーダーを取り付ける【後編】COWON AC1の運用と活用
http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20130627_601636.html
記事で指摘した「見えてきた課題」というのは、AC1特有の問題というよりは、ドライブレコーターが抱える問題という感じのものです。
その課題もいくつかあるのですが、たとえば1つ挙げるとすれば、現在のほとんどのドライブレコーダーは確かに明るさにも強いし、暗いところにも強いのですが、明暗が同居するシーンの撮影がことごとく苦手なんですね。
例えば、このように夕暮れ時でも結構明るく映りますし、日中の正午くらいの明るい時間帯は当然明るい映像になります。
しかし、ヘッドライトで照らされた相手車のナンバープレートは白飛びしてしまっています。
逆に、上の動画のように、正午、日に照らされた車体はよく見えますが、日が当たっていない「陰」の部分のナンバープレートはこれまた階調が死んで黒に落ちてしまっています。
肉眼ではこうした状況下でもちゃんと見えていますから、ドライブレコーダー側がなんとかしなくてはいけない課題というわけです。
原因は単純で、HDR撮影ができていないことが理由です。
これは単純なヒストグラムベースで基準階調を割り当てる設計にしていることから起きている弊害です。
こうした問題への対策は幾つかやり方がありますが、最も単純なのは、いわゆるブラケット撮影をやる方法です。
具体的には、メディアに書き込む記録スピードは60fps(ないしは30fps)でもいいのですが、撮影レートをたとえば120fpsにして、1フレーム目は暗いシーン用の露出にして、2フレーム目は明るいシーン用の露出にして記録するときには撮影した2つのフレームから視覚に近い映像を合成して記録すればいいんです。
もちろん、合成処理には映像処理ロジックが必要になりますから、多少なりともコストは嵩みます。
現在、残念なことにドライブレコーダーも不毛な低価格競争になってしまっているので、ただ携帯電話内蔵のカメラ程度の撮像素子で情景を撮ることだけができる製品が大半になってしまっているんです。
もうすこし、ドライブレコーダーは本来の基本機能の洗練にもう少しまじめに取り組んでもらえたらいいな、と思っています。
さて、掲載記事版では、諸事情で掲載できなかった、「助手席視点からの撮影動画」(上)と「セキュリティカメラとして動作させたときの動画」(下)を以下に示しておきます。
実際の運転席からの視点ではバスの背面しか見えていないのですが、映像を見ても分かるようにちゃんと左側の車線が見えているのが分かります。これがドライブレコーダーを助手席側に付けるメリットです。
前述したように明暗が同居するシーンは苦手ですが、全体的に暗いシーンであればこのように結構ちゃんと撮れます。セキュリティカメラとしては結構使えるはずです。(それでも、このシーンも逆光の屋外に階調が引っ張られてはいますね)