オイル潤滑方式、ドライサンプとウェットサンプの違い
2013.02.04どうしても「ドライ散布」と変換してしまいますが、サンプ(Sump)とはオイル溜めのこと。
ドライサンプ - Wikipediaドライサンプ(英: Dry Sump)は、4ストロークおよび大型2ストロークエンジンの潤滑方式の一種で、エンジンのオイル溜め(オイルパン)からオイルを強制回収するポンプとそのオイルを貯めるリザーバタンクを持つものをいい、通常多くのエンジンで用いられているウェットサンプに対する用語である(サンプ:sumpはオイル溜めの意味である)。
ウェットサンプはお馴染みの方式でエンジンの下にオイルパンがあり、そこにオイルが溜まっているものです。オイルチェックをする場合はこのオイルパンに針金を突っ込んでオイルがどれくらい入っているかチェックできます。
一方ドライサンプはサンプ(オイル溜め)がドライ、乾燥している、つまり常にオイルがない状態になっている代わりに別にオイルタンクが用意してあるものをいいます。
↓ドライサンプの構造
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ポルシェ911はドライサンプ方式を採用しているのですが、水冷エンジンになってからはどうやら雲行きが怪しくなり、ウェットサンプに近いセミ・ドライサンプ(インテグレーテッド・ドライサンプ)を採用しているとのこと。
ドライサンプ - Wikipediaドライサンプ方式の車には
・通常のオイルパンを使用し、その中にスカベンジポンプを内蔵したタイプ
・専用のほとんど容量のないオイルパンを使用し、外部にスカベンジポンプを設置したタイプ
の2種類が存在する。 前者の構造はポルシェ・フェラーリの量産車、コルベットZ06などに採用されている。(フェラーリでは多少薄い形状のオイルパンではある) 後者の構造は部品点数・信頼性の問題から市販車で採用されるものはほとんどない。
オイルパン部分にタンクを設置し、自由落下によるオイル回収とスカベンジポンプによる強制オイル回収を併存させたセミ・ドライサンプと呼ばれる方式もあり、水冷化以降のポルシェ911/ボクスター/ケイマン、日産GT-R、レクサスIS-Fなどに採用されている。
Porsche Cayman : www.99663.com「インテグレーテッドドライサンプシステム」というのは、ポルシェジャパンHPによると「ポルシェ独自のこの技術は、高速コーナー走行時のような横Gのかかった過酷な条件のもとでも、安定してオイルを供給するシステムです。オイルは左右のシリンダーバンクそれぞれに備わるリターンポンプによって吸引され、スワールポットによって気泡が除去された後、エンジンに一体化されたオイルリザーバーに戻されます。オイルは再び、ここを基点に各潤滑ポイントに送られ、エンジン内を循環します。サーキットを走る時でも、エンジン全体の油圧を一定に保つ信頼性の高いシステムです。」と説明されています。
reforma vintage gear ドライサンプドライサンプはフェラーリやランボルギーニの多くのエンジンに採用されていますが、
ポルシェの空冷フラット6は全車ドライサンプです水平対向エンジン、特に油冷とも言われる空冷だとウェットサンプは厳しい
ドライサンプでなくてはあのエンジンは成り立ちませんでも水冷になってからは変わってきましたね
996ではターボ、GT2/3系以外の普通のモデルでは
"インテグレーテッド・ドライサンプ"というものを採用しています
クランクケース内からポンプを無くし、左右のヘッド内に組み込まれた、
小型のスカベンジポンプでオイルパンからオイルを引っ張るというもの
これは合理的とはいえ、ドライサンプとは呼びたくないです
そして997ではターボ、GT2/3系以外はみんなウェットサンプ
時代の流れでポルシェもだんだん普通の方向に向かってますね
その中でもGT3は空冷時代からGT1クランクケースを継承しているために、空冷同様のドライサンプとのことです。なるほど、ここでもGT3にこだわるポイントがあったのですね。
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