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私たちの生活と宇宙:JAXA筑波宇宙センター見学レポート(4)

2013.01.09 寄稿者: のま元記事

いよいよ見学レポートも最終回。JAXAの真の目的とは、宇宙で暮らすということは? その謎に迫ります。


ガンダムも入る! これが極秘実験棟の全貌:JAXA筑波宇宙センター見学レポート(3)」のつづき。

JAXAへの潜入ミッションも今回が最終回。JAXAの情報を手に入れてジオンに持ちかえれば、ジオンはあと10年は戦えます。

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そもそもなぜ今回スパイを、いやブロガーを受け入れたか。JAXAの真の目的とは。


・・・

JAXAは宇宙少年だった我々オッサン世代にとっては身近な存在。ガンダムが架空の物語とすれば、JAXAは現実の物語。いくら子供でもアニメと現実の区別はきっちりついてて、実際の日本の宇宙開発の現場といえばJAXAなので、ガンダム同様親しみをもって注視しているわけです。

ところが下の世代、女性はそうでないといいます。JAXAの活動への興味関心は薄く、何をしても響かないという悩みが。そんな中唯一のヒットが「はやぶさ」で、映画が3本出来るまでとなりました。

これまでは打ち上げロケットで人工衛星をあげるだけでも十分なニュースでしたが、今ではすべての携帯にGPS受信機が内蔵、いつでもどこでもGPS衛星からの電波をうけて現在位置が分かる時代。余りにも生活に人工衛星が密着しすぎて、その存在が逆に薄れてしまったのです。いわゆる「空気」になっちゃったんですね。

その中で衛星軌道を離れ、遠く小惑星までいってかえってトラブルを乗り越えて地球に帰還した「はやぶさ」のストーリーは感動を呼びました。

そして漫画「宇宙兄弟」は映画化され、ここJAXAの敷地内でもロケがされるほど忠実に再現されています。こういった露出が増えることでJAXAへの興味・関心を持ってもらうことがJAXAの狙いといえます。特に女性、若い世代へのリーチを増やしたいといいます。いわゆる「若い世代の宇宙離れが深刻」というものです。

その施策でネットを使ったりと色々と取り組んでいるようですが、私の視点はちょっと違います。この「若い世代の~離れが深刻」という定型化された問題に直接若い世代にリーチするのは実は効率が悪く、極端な言い方をすれば時間とお金の無駄、です。

これは恋愛と似ています。

振り向いてもらえない相手にいくら誘いの言葉やプレゼントや送ったとしても、それまでの関係性が薄ければそもそも興味をもってもらえないからです。

遠くの美人より、近くの普通の子

というではありませんか。また、

将を射んとすれば先ず馬を射よ

という諺もあります。

若者に迎合しようと初音ミクをCMに使ったり、H2Bロケットの痛ロケットを飛ばしたりとすれば確かに燃え上がることでしょう。ただそれは一瞬のことであり、人の噂も75日、すぐに過去のものとしていまいます。それほどインターネットの情報の流量は激しく、濁流のように日々押し流されていくものだからです。

そうであれば、逆です。まずはアポロ世代、ガンダム世代を撃墜すべきなのです。

この世代は宇宙、といえばホイホイしっぽを振ってやってくるタイプです。例え美人局だと知っていても、宇宙という甘美なワードに酔いしれてしまうのです。

普段の生活の中ではなかなか宇宙を意識しないもの。しかし考えても見て下さい、紀元前ならいざ知らず、私たちは科学技術の進歩により世界をよくよく知ることができました。その結果、私たちのこの大地は丸い地球の上にあり、それは宇宙空間に浮かぶひとつの惑星として存在することが証明されています。

言い換えれば私たちは宇宙の中で生活している、といってもいいはず。

宇宙空間は真空で、無重力でという空間のため地球上とは大違いですが、地球上だって重力はともかくとして極地にいけば極寒であり、一日中太陽が出っぱなしの百夜であり、そしてオーロラだって出ます。やはり宇宙空間の中の一部分なのです。

確かに毎日の生活で満員電車に揺られ、人が作った人工物の中で暮らしていると外界のことが見えません。日本国外のこと、下手すれば自分の生活圏である東京以外で何が起きているのか、変化しているのかマクロな視点が失われがちです。

この点でいえば、私たちはスペースコロニーの中に住んでいるといっても過言ではありません。ガンダムでいえばサイド6の住民です。外で戦争が起きていてもTVでそれを知り、まあ怖い、というだけのボンクラです。

しかし男は、親はそうであってはならないのです。この平和を守るために自ら戦いに出なければならない、守るべきものがあるからです。

ガンダムのアムロは最初は戦争など自分には関係ない、守ってもらえると思っていました。しかし突然戦いに巻き込まれ、自ら戦うことを選び、成長していくのです。

若い世代もそうでしょう。突然宇宙ってすごいよ、JAXAってすごいよ、ロケットで宇宙までとんでくんだよと言われてもさっぱりです。直接的に言われれば言われるほど、はて、と思うものです。ノレないというか。

それよりももっと間接的に、まるで外堀を埋めるようにじっくりと10年20年かけて醸成していくのがいいはずです。それが本当のPublic Relation(PR)。

わたしたちの時代は宇宙戦艦ヤマトがあり、機動戦士ガンダムがあり、そして超時空要塞マクロスがありました。宇宙の知識経験はこれが原体験であり、これにリアルな情報が付け加わることでさらに強固なものとなっています。

そして私たち親世代がそれにどっぷりはまることで、子供たちにも好影響を与え、身近な存在となることでしょう。まずは家の片隅にこの本を転がしていくといいはずです。

【Amazon】 宇宙のひみつ (学研まんが)
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ガンダムは放送開始から30年後、お台場に実物大ガンダムがたちました。老若男女問わず参集したことがよく知られています。

そうであれば、H2Bロケットもお台場にたってもいいはずです。

その巨大さ、人知を尽くして天命をまつ最高技術の結晶を目の当たりにすることで、老若男女問わず宇宙を、JAXAを身近に感じてくれることでしょう。

宇宙万歳、ジークジオン!


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