ワンランク上の操船。物理学とテクニックと心優しさと #boat130119
2013.01.27ワンドラ・ボートクルーズに参加いただいたRさん。ブログにその詳細なレポートはもちろん、シーマンとしての心構え、マナー、そして操船テクニックについて書いてあったのでご紹介。
東京リバークルーズ(日本橋、御茶ノ水、スカイツリーなど) | 河村徹朗のクロウズネスト楽しい機会をいただきましたので、お礼に代えて私にわかる範囲で参考になりそうな情報を書いておきます。
今回色々な方の操船を見ていて感じたことがあります。
1.離岸の操船
2.船のトリム調整
3.屋形船を含む、仕事で船に乗っている方との関わり(中略)
2.船のトリム調整
船の船底形状は流体力学に基づいて作られていますので、それを活かした操船だとスマートです。
船外機の場合はチルト、船内外機の場合はチルトとトリムタブ、船内機の場合はトリムタブがあります。今回のような船外機艇の場合はスロットルレバーに上下ボタンが付いています。船は止まっている状態から走り出すと徐々に船体が浮いてきます。スピードに乗って滑走している状態をプレーニングと言います。プレーニングする前のバウアップ(艫足)している状態をハンプと言います。(排水型の船はプレーニングしませんので除きます。またスポーツフィッシャーマンは荒波を切り裂けるようにプレーニング状態でも艫足気味です。)ハンプ状態は水の抵抗が一番大きく、エンジンの負荷が非常に高いので長く続けると最悪の場合、エンジンが壊れます。また前方が視界も悪いので安全面でもなるべく短くした方がベターです。プレーニングに早く入るには、チルトを下げることにより下向きのベクトルの力を作りスターンを持ち上げてあげるといいです。20~30フィートの船の場合、乗員の乗る位置によっても船の姿勢が変わりますし、乗員の数とエンジンのパワーによってもプレーニングにかかる時間は変わります。船長はそういった事も考慮してチルトを変化させて一番船が走りやすい姿勢にしてあげると船が喜ぶと思います。漁港とかで何気なく走っている漁師さんを見ると、やっぱり皆さん非常に上手です。
チルトを変化させるのは今までほとんど意識したことがなかったので、今後は意識していきたいと思います。
東京リバークルーズ(日本橋、御茶ノ水、スカイツリーなど) | 河村徹朗のクロウズネスト仕事で乗っているのと遊びで乗っているのとどちらが偉いとかの話ではなく、シーマンシップとして機動力の高い小さい船が大きい船を気遣うのがスマートだと思います。
当然操船技術もプロには敵いませんが、気遣う姿勢を見せることが共存に繋がると思います。今回の船は喫水が屋形船よりも浅いので、チルトを上げて保険をかけつつですが端に寄るだけでもいいと思います。本当にやばくなってもニュートラルにさえ入れておけば座礁しそうになってもボートフックで護岸を押すなりいくらでも方法はあります。技量にあった安全マージンを確保した上で、出来る範囲の事をやれたらいいかなと思います。
神田川、隅田川は川幅もせまく、岸近くは浅くなっているため座礁やプロペラをぶつけてしまうこともしばしば。そのため初心者としては慌ててしまうわけですけど、チルトを上げてプロペラを守ればよいです。
いずれにしても人と人とのかかわり。相手を思いやる心構えが大切ということですね。
東京リバークルーズ(日本橋、御茶ノ水、スカイツリーなど) | 河村徹朗のクロウズネストプロもプレジャーも、大きい船も小さい船も、船長同士がリスペクトし合えるような水辺になったら、もっともっと遊べる場所、係留できる場所も増えるかもしれません。
漁港がプレジャー禁止のところが多い1つの理由には、プレジャーボートがゴミを捨てていき、お金も地元に落としていかなかった、お金落とすんだからと偉そうだった、などがあるそうです。みんなで楽しく遊べるような環境に少しずつ出来るよう、私に出来る事はどんどんやっていこうと思っています。
もっともっと水辺が身近な存在になってほしいです。そのためにもまだまだやることはありますね。