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ヤマハFZ250 PHAZER(フェーザー)1985年式 レストア記

かくしてGT-Rは創られる:日産GT-R 水野和敏氏インタビュー(2)

2012.12.30

主は人間で、従がクルマ。人とクルマの一体感とは:日産GT-R 水野和敏氏インタビュー(1)」のつづき。

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何のためにクルマを作るのか

クルマメーカーはどうしてクルマを作るのでしょうか。メーカーだからクルマを作る、クルマを作って儲ける、儲けたお金でまたクルマを作る...ただそれだけでいいのでしょうか。何のためにクルマを作る、その根源とは。

何のためにが抜けている。
何をした、の自慢話になっている。
何のために作っているかが分からない。
how to が目的化しているから、つまらない最新技術ばかり
エンジニアがそれを忘れている
今より良くなったからいいでしょ、という言い方をしている。

しかし「人のため」というのは不変
人は変わらない

人間という身体、形、感情は時代が移り変わっても変わりません。そうであれば今も昔も変わらない、不変の価値があるはず。その「何のために」、目的を明確にしなければ、「どうやって」実現するかが意味を持ちません。

GT-Rの場合、日本発のスーパーカー、マルチパフォーマンスカーを実現するという強固な目的意識を持ち、それを実現するための手段としてあのパッケージ、機構、構造を用いています。

しかし世の中にあふれるクルマはその目的を見失い、手段が目的化して単なる技術自慢に陥っているきらいがあります。

世界一になりたければ、学ぶではなく、鍛えること

人にできないことを自分でやるから世界一
同じデータ、実験をやっていたら人と同じ「三流品」しかできない
学ぶことではなく、鍛えること
人の後追いなら学ぶ
理性で情報をためて、そのまま使えばいいのは「学ぶ」
入れた情報を加工してoutputすることが「鍛える」
世界一になりたければ「鍛える」
「いい人」になりたければ学べ。しかし「三流品止まり」。
世界一自分を鍛えたことができると「世界一」、これが当たり前
鍛えたら楽

水野氏は世界一自分を鍛えた自負があります。その鍛えた力で、エンジン燃焼室の内部が、ブレーキローターの歪みが、タイヤの消耗がどのようになっているか、手に取るようにわかると言います。その結果、クルマがゴールラインを切る前にタイムが分かるというのです。

これはすし職人がマグロのしっぽをみて、お客さんがどう感じるかがわかるのと同じこと。問題はこの「鍛えた」力をいくつ持っているか、ということです。

例えばブレーキの設計、390φの大径ローターは前代未聞、900度に達するためGT-R用に新設計する必要がありました。水野氏自らが設計を行い開発したのですが、これが普通の人であればそもそも「何のために作っているかが分からない」のです。熱の温度が違い、ローターは熱膨張し、ともすればクラックが入ります。しかし「見える」人にはその歪が見え、遠まわりすることなく設計、試作、そして量産に入れるので仕事が早いです。

これがプロです。言われてやるのではなく、目的を達成するための引き出しをいくつもっているか、経験値を実行に移せるか。そして世界一自分を「鍛える」ことで世界一になれます。

この先の、次期GT-Rの姿はどうなる?

水野氏によると、現在のGT-Rは80%程度の完成度、まだ実現していない技術を持っていて、2007年当時10年先の技術まで見据えていたといいます。

その技術を実現するための基本構造がプレミアムミッドシップ・パッケージ。エンジンとトランスミッションがフロント・リアに分離され、プロペラシャフトで前後を結ぶレイアウトです。

エンジンとミッションが一体化していると設計、開発に時間がかかりますが、GT-Rが採用している独立型トランスアクスルは別々、ユニット単体として設計可能。クルマ用として作る必要がなく、とっかえひっかえしやすい構造です。

つまりディーゼルエンジンだろうと、CVTだろうと単品作れればすんなり載せられるのがメリット。ハイブリッド、リーフのモーターでもなんでもござれというのです。

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V6 3800cc ターボエンジンで550馬力 632Nmという出力を誇りますが、今後さらなるタイムアップを計るとしたらディーゼルターボエンジンが気になります。

ディーゼルは最高回転数を高くできないもののトルクが高く、GT-Rのように0-100km/h加速を誇るクルマにとってはうってつけ。最高速度はギア比の見直しで同等を実現できると考えると、非常に面白そうです。

1000Nmオーバーのトルクのディーゼルターボエンジン。

ワクワクしてきますね。

ディーゼルになると燃料代もハイオクガソリンに比べれば数割安くなりますからお財布にも優しいです。

さて次のエンジンはどうなるのか、ディーゼルか、はたまたハイブリッド、モーターか。GT-Rの進化の行く末が楽しみになってきました。

(つづく)

【Amazon】 クルマはかくして作られる―いかにして自動車の部品は設計され生産されているのか (別冊CG)
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野間恒毅

スーパーカーと美女が好き。 日々RR, FR, FFと駆動方式を選ばずドライビングスキルを磨き、ドライビングプレジャーを追い求めています。リターンライダーとして大型二輪免許取得、大型バイクに乗っています。ミニ四駆、ラジコン、ドローンなどホビーも幅広くカバーしボート。個人ブログはこちら(のまのしわざ


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