西川善司の「NISSAN GT-R」ライフ 第8回:GT-Rの車両保証について紹介
2012.09.11 寄稿者: 西川善司 (元記事)みんな気になってるR35 GT-Rの車両保証制度。チューニングするとメーカー保証が切れる、という厳しいもので、その範囲に議論を呼びましたが現在では当初から多少緩和されました。車も進化しますが、それに合わせて色々と試行錯誤の連続のようです。
【連載】西川善司の「NISSAN GT-R」ライフ
第8回:GT-Rの車両保証について紹介
http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20120904_557256.html
色々騒がれてしまったこと...ポイントは2つあると思います。
1つは、今まで曖昧になっていたチューニングとその結果による車両の不具合に対するメーカーとしての姿勢を明確化したことですね。
これまで、無謀なブーストアップしたことを棚に上げてぶっ壊れた車両をメーカー保証で直せ...みたいなやりとりはメーカーとオーナーの多々あったんですよね。
R35 GT-Rの場合は、上げようと思えば1000馬力くらいまでは上がっちゃうので、事前にそうした無謀なチューニングに対しての防護策を打ち出したと言うことでしょう。
国産車で、オーナーズマニュアルに、チューニング例とそれらにまつわる保証規定を明文化した車種は他にはないと思いますね。そうした部分が「面倒だ...」と叩かれてしまったんだと思います。
ここは、正直、日産側がよかれと思ってやったことがネガに捉えられてしまって不幸だったと思います。
発売当初だいぶヤジられた「サーキット走行を行うと保証がなくなる」というのも今では「走行後の点検で車両保証は維持される」とまで明文化されています。レブリミット当てて、縁石乗り上げまくった車両を保証できないというのはメーカーの立場としては理解できますからね。
もう一つのポイントは、実際に、ちょっと面倒臭い部分があるにはあるということですね。
例えば、純正タイヤも細かくリビジョンが区分けされていて、自分の年式に適合しないリビジョンのタイヤは、たとえ純正タイヤであっても履くと保証が切れるんです。そのあたりも詳細は記事の方をどうぞ。
ホイールも前期型と後期型で厳しくリビジョン規定がなされています。
このあたりはもう少し緩和してもよい気がします。
今回の記事では、実際に、さっそく車両保証をボクが実際に活用した事例も紹介しています。
新車で購入したのに、ドアが走行2000kmでこんな風になってしまったからです。
詳しくは、記事の方をどうぞ。
実は、今、新たにステアリング周りで初期不良が発覚してきまして、今度また修理に入庫予定です。
新車で購入して半年足らずで修理のために入庫を繰り返すのは寂しいですが、対応はスムーズで丁寧なので粛々と事は進んでいます(笑)。
まぁ、ただ、私見ですが、GT-Rをこれから買う人は、新車の場合は、車両保証の有効期間は、保証規定の範囲内で楽しむようにして、車両保証制度は活用出来る状態にしておいたほうがよいと思います。
こうしたマイナートラブルが頻発する感じから察するに、切り込んだチューニングやカスタマイズに走るのは、保証期間が切れてからの方がいいでしょう。
GT-Rという車は、実際とても高性能ぶりを実感できます。
しかし、エンジン単価が400万円、トランスミッション単価が250万円となっており《まぁ、パーツ単価の合算650万円と、そのまま車体価格の870万円と比較することに意味はないとは思いますが》ただ、それ以外の部分は徹底したコストダウンによって実現されている車だということをオーナーは忘れてはいけないと思うんですよね。
R35 GT-Rは、エンジンなどの根幹メカはクリーンルームで専任スタッフが組み上げていますが(だから高い)、それ以外の車体の組み立て自体は実はスカイラインなどと同じ生産ラインで混流ラインによる製造がされているんですよね。逆に言うと、エンジンなどの根幹メカ以外の部分は日産の他の量産車となんら変わらないワケなんです。
だから、今回、自分の車両に起きたようなことが起こりうる...とまでは言いませんが、せっかくのメーカー保証は、優位に利用すべきだろうと言うことです。