ルノーメガーヌ RS TROPHY Ver. SiFo 300ch 詳細レポート(1)エクステリア編
2012.07.09CGのロングランインプレッションに採用されているルノーメガーヌ RS TROPHY Ver.SiFo。そもそもメガーヌRSとはどんなクルマか、そしてVer.SiFoはどこがどう違うのかに迫ってみたいと思います。
メガーヌ RSは先代のメガーヌに比べて一回り大きくなったものの、その特異なデザインは特徴的で誰もが目を奪われます。大きくなったために車両重量もアップ、これに対応して同じ2000ccターボエンジンはパワーアップ、標準モデルで250馬力となっています。
RS TROPHYは500台の限定モデルとして 265馬力にパワーアップ、強化された足回りと19インチホイールにRE050Aタイヤを装着して、先代メガーヌ R26.Rが持つニュルブルクリンク FF最速タイム 8分17秒を9秒更新、 8分8秒を記録しました。
▼フェラーリより速い!? 新型メガーヌ R.S. トロフィーがニュルブルクリンク 8分08秒を記録した車載映像 ([の] のまのしわざ)
このRS TROPHYは好評で注文殺到、結局1000台の限定生産となりそのうちの 4台(最終的には6台)をSiFoさんが日本へ輸入しています。そして RS TROPHYをベースにチューンしたのが Ver.SiFo。
MEGANE RS TROPHY Ver.SiFo 300ch 製作開始します。 - SiFoこのFF最速と謳われる Megane RS Trophyを4台入荷、より軽量に、そしてハンドリングと空力特性を向上させることを目的に「Ver.SiFo 300ch」の製作を開始しました。
ニュルブルクリンクに合わせてセッティングされた RS TROPHYですが、これを日本の公道で走りやすくするため、そしてSiFoさんの拘りの装備、カラーリングで施されています。
【要所をマットブラックでカラーリング】
ルーフとボルテックスジェネレータをマットブラックで塗装。膨張色である黄色のカラーリングと丸みのあるデザインはどうしても大きく見えてしまいますが、より引き締まります。
リアスポイラーの縁もブラックアウト、ウィング形状がより強調、さらにウィングがシャープに見えるようになりました。
大型サイドモールをマットブラックアウト。
バンパーももともと光沢のブラックをマットブラックに変更しています。
【アルミ鍛造軽量ホイール】
足下を引き締めるのはSiFoオリジナル・アルミ鍛造軽量ホイール。
▼MEGANE Ⅲ RS 専用鍛造ホイール - SiFoストラットサスペンション式はシンプルかつ高剛性、スペース効率に優れメガーヌのフロントサスペンションを含め多くの車種に採用されています。しかし転舵時ストラット軸を中心に回転するためタイヤ・ホイール中心軸からのずれ、キングピンオフセットがトルクステアの原因となったりステアリングインフォーメーションに影響を及ぼします。
メガーヌRSではダブルアクシス・ストラットシステム(DASS)を採用、ストラット軸とは別に転舵軸を設けることでキングピンオフセットを最小化。それによりトルクステアを低減し、素晴らしいハンドリングを実現しました。標準装着ホイールのインセットもこれに合わせて最適化されています。
インセットの数値が異なるホイールに交換した場合、DASSの設計意図に反してトルクステア、ワンダリングの増大、ステアリングインフォメーションの変化など影響を及ぼします。そのためタイヤ・ホイール面とフェンダーの位置関係にこだわらず、あえてINSET 65mmと純正とまったく同一の数値で設計しました。
リムはタイヤサイズを有効に使うため標準の8.25Jから8.50Jと0.25Jワイドにしていますが、ノーマル比 -3kgの軽量化を達成してバネ下重量の大幅な低減を実現しています。
純正とまったく同じINSET、しかし少しだけリムをワイドにすることでタイヤの面を最大限に使おうという設計です。
これに組み合わされたのは、235/40ZR18の ミシュラン・パイロット・スーパースポーツ。
▼ミシュランタイヤ・テストドライブ(2):ロールは正義! メガーヌRS TROPHY Ver.SiFo 300ch編【ワンダードライビング】
むやみやたらにドライグリップを求めるのではなく、ハンドル操作に対して的確に路面をつかみ、ドライバーに路面からのフィードバックを伝えます。またドライからウェットまで変わることのない安心感と正確性、高速道路からワインディングまで幅広いフィールドで活躍するタイヤになっています。
もともとRS TROPHYは19インチタイヤホイールが装着されていますが、これはニュルブルクリンクのタイムアタック用のもの。200km/hオーバーの速度域をターゲットにしているので、日本の一般道や首都高速、ワインディングではオーバースペック。逆に乗り心地面では我慢を強いられることを考えると、RS標準の18インチ化、ミシュラン・パイロット・スーパースポーツは最適です。
同時にSiFoオリジナルアルミ鍛造・軽量ホイール化によって大幅なバネ下の軽量化も実現しているので、ドライビングも軽快。街乗りしやすく、ワインディングも楽しく走れます。
【カーボンリアディフューザー】
リアビューをシャープに引き締めるのが、SiFoオリジナルカーボンリアデュフューザー。RS標準装着のものと交換して装着します。エキゾースト部は熱から保護するため金属カバーが取り付けられて、ディフューザーとあいまって F1っぽい雰囲気を醸し出しています。
▼Megane Ⅲ RS用 カーボンリアディフューザー - SiFoSiFoオリジナルデザインに加え、空力部分の造形は、1980年代のIMSA GTP マシンやC カー、また現在もSUPER GT等、数々のチャンピオンマシンの空力を手がける空力デザイナー、鈴鹿美隆氏が担当しています。
造形美もさることながら、空力デザイナーが手がけたホンモノの空力デザインは形以上の説得力があります。一見垂直にみえる、4枚のスプリッターをよくみると。
なんと内側から外側にむかって緩いRを描いているんです。たんなる板を切り出したのではないところがそんじょそこらとは違う、ホンモノの造形です。
【フロント部】
フロントグリルはクルマの顔です。
右側のルノー・クリオ(ルーテシア)のバンパーが光沢ブラックなのに対し、メガーヌRS TROPHY Ver.SiFoはマットブラック化。
ラジエーター部のメッシュはプラスティックから目の細かい金属メッシュへと変更。シルバーのラジエータ、インタークーラーのコアがよく見えるようになり、デザイン性とともに冷却性にも貢献。
バンパーのマットブラック化、ラジエータメッシュの金属化によりF1のウィング形状を模したエアインテーク部がより強調されています。
細かいところがこの牽引フック。赤いのは何かというと。
シートベルト素材で作られた、柔らかい牽引フックです。赤が少しだけ見えるところがオシャレポイント、いざというときに引き出して使います。
【メガーヌ RS TROPHY】
SiFoさんでは限定モデル RS TROPHYがあと1台在庫があるということですから、気になる方はぜひお問い合わせください。
⇒SiFo
【Amazon】 CG (カーグラフィック) 2012年 08月号 [雑誌]
ルノーメガーヌ RS TROPHY Ver.SiFoが掲載されています。