時代はPCオーディオ! DigiFi付録 Olasonic USB-DAC付デジタルパワーアンプを視聴しました
2012.06.22 寄稿者: のま (元記事)次号DigiFiのふろく、USB-DAC付デジタルパワーアンプの試聴レポートです。その予想外の音の良さにビックリ、そしてさらに値段の安さに二度ビックリ。
付録でパワーアンプが付く時代とは...
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DigiFi(デジファイ) No.7 別冊ステレオサウンド
今回 Olasonic 東和電子さんのご厚意により、評価基盤を一足早く試させてもらいました。で、もう先に結論からいいます。
「スピーカーで聴くのって、こんなにも楽しいものだったのか!」
さて今回使わせてもらったのはUSB-DAC付デジタルパワーアンプ。そう、この小さな基盤のことです。この基盤がなんと雑誌の付録、ふろくになって届くっていうんですから驚き桃の木山椒の木。
【雑誌DigiFi(デジファイ)とは?】 DigiFiは、従来のCDはもとより、より高品位な音が聞けるハイレゾ音源までを 分け隔てなく楽しむための新しいオーディオ雑誌。計り知れない可能性を秘めた PCオーディオと新しい音楽との付き合い方を模索し、積極的に提案していきます。 デジタルファイルを携帯プレーヤーで楽しむのが標準になった今日だからこそ、 ヘッドフォンやイヤフォンの最新動向にも目を向けています。そんなデジファイの No.7に、なんとUSB DAC付デジタルパワーアンプが付録としてついてくることに なりました!
つまりどういうことかというと、普通PCの音は内蔵スピーカーで鳴らすか、USBスピーカーでUSB接続した外部スピーカーで鳴らすのが普通ですが、このUSB-DAC付デジタルパワーアンプはUSB接続したオーディオ信号をデジタル-アナログ変換、外部スピーカーを直接鳴らすことができるパワーアンプなんです。
しかも。
電源レスですよ!
USB電源から直接供給、ってことは定格の500mAしか流れないのです。スピーカーの出力として500mAというと本当に小さな小型スピーカー、音量も小さいと思うじゃないですか。しかーし、しかし、ここにOlasonicの秘密が隠されていたんです。
【USB DAC付デジタルパワーアンプってどんなもの?】 開発は、高音質USBスピーカーTW-S7で世界を驚かせた、Olasonic設計・開発 チーム。USBバスパワーだけで、10W+10Wのダイナミックパワーを実現。 にわかには信じられないかもしれませんが、ステレオサウンド試聴室にある 大型フロアスピーカーまで、しっかり鳴らしてしまいます。数々のアンプ回路 基板設計で高い評価を得ているOlasonic東和電子ならではの、オーディオ流儀に のっとった美しい基板も大きな特徴。
500mAなのに10W+10Wになるなんて、なにその魔法! 普通、俄には信じられませんよね。
この評価基盤を借り受けたとき、「いい音診療所の副所長兼オーディオアドバイザーの川崎博愛氏」からデモをしていただきました。
▼ソニー、Twitterなどの書込を分析して音楽を"処方" -AV Watch
オーディオアドバイザーの川崎氏いわく、
「そのへんに転がっていたスピーカーなんですけどね、それでもいい音が出ますよ」
との弁。確かに聞かせてもらったボーカル中心の曲はよく声が通っていい音でした。
しかし、その辺に転がっていたっていっても東和電子さんですからね、基本レベルが違うんじゃないですか〜、と思うのはオーディオマニアではない一般人の私。本当にその辺のスピーカーでいい音になるのか、自分の家で試してみました。
・・・
実は、うちにはもうスピーカーケーブルで接続するスピーカーが無かったのです。昔使っていたコンポは処分し、あるのはCDラジオとか、USBスピーカーとかだけ。こりゃ評価もできないぞと街を散歩していたときのこと。ふと立ち寄ったHARD OFFにあるじゃありませんか、中古スピーカーがたくさん!
ということで、本当に適当に一番安いスピーカーを買ってきました。だってその辺に転がっているスピーカーでもいい音でるんでしょ、確か。
このスピーカーを選んだ理由。
・スペック 70W 6Ω
・安い
・ボックスの色が家にあっている
というだけ。特にメーカーとかこだわっていません、というかよく分かりません。なにせカジュアルオーディオファン、聴く音楽といえば歌謡曲にアイドルに、TM NETWORKと Perfumeでしょう... そもそもこの家は奥様の実家。いわゆるマスオさん住まいをしている私にとって、奥様の興味の湧かないスピーカーとか邪魔な存在でしかありません。しかも家具として家庭におけるのが許されるのは、ウッド基調のもののみ。ということでボックスがもっともリビングに合う色を選んできたわけです。想像以上にカモフラージュできていますね。
ということで本当に適当に選んだスピーカー。これにOlasonic USB-DAC付パワーアンプを、これまたHARD OFFで買った適当な中古スピーカーケーブル、プリンタケーブルに使っていたUSBケーブルを使ってPCにつなぎました。PCは MacBookAir 13インチモデル、SSDです。
MacBookAirのSSDに音楽ファイルを転送、電源アダプタは外してバッテリーのみで駆動。そして聴く音楽は。
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FictionJunction 2008-2010 The BEST of Yuki Kajiura LIVE
FictionJunctionのライブCD。いやほら、カジュアルオーディオな私がいきなり音の評価といって普段聞いてないクラッシックのCDを持ってきても、訳分からないでしょう。やはり身近な音楽、普段聞き慣れた音楽を聞くのが一番。その中でも音の広がりがあるであろうライブCDにしたというわけです。もちろん聴く曲は通称「ヤンマーニ」こと nowhere。
聴くなり、こりゃなんだと。
これが2000円のスピーカーの音!?
そうです、HARD OFFで買ってきたこのスピーカー、消費税込みで2100円。中古スピーカーケーブルは42円でした。
なのに、なのに。音量をあげていってもまったくへこたれず、パワーがどんどんでてくるばかり。防音性が高い気密性一戸建て住宅なのですが、それでも近所迷惑になるだろうという音量が出てきますよ。もちろんうるさいだけでなく、ライブの臨場感そのものが伝わってきます。こりゃ楽しい!
楽しくなってきたので、次から次へと試してみます。
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GOLDEN☆BEST/南野陽子 ナンノ・シングルス3+マイ・フェイバリット
なんで南野陽子なんだよ!って思われるかも知れませんけど、いいんです、好きなんですから。一番最初にCDプレイヤーを買ったとき、同時に石丸電機で購入したのがファーストアルバム「ジェラート」でした。なので私にとって高音質音源といえば南野陽子なのです。
当時のCDの録音はレコーディング、スタジオで行われていたので音の広がりがあるんですよね。これは昨今のデジタルオーディオとは違う、趣のあるもの。「秋のIndication」のイントロなんて、素敵すぎます。え、ボーカルの歌唱力は? そうでした、それを見るためには別のソースにしましょう。
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Recollection~中森明菜スーパー・ベスト~
歌姫、中森明菜さんですよ。これなら歌唱力に不満はないでしょう、皆さん。聞くのは「サザン・ウィンド」。前作「北ウィング」でつらい恋の別れを体験した後にもかかわらず、パナマ帽を指でくるくる回して南の海で恋の駆け引きをする、アバンチュールなバカンスを描いてる名作、女性の立ち直りはえぇぇえ、と驚きますね。伸びやかな曲調と明菜さんの声が清々しいです。
アイドルだけじゃなんなので、もう一つの音楽の原体験、TM NETWORKにいってみましょう。曲はもちろん GET WILD。
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Gift for Fanks(DVD付)
'89もいいのですが、やはりオリジナルである GET WILDは何度聞いていいですね。というか何十年、何千回聞いているんでしょう。これと最後の SELF CONTROLは鉄板です。
そして忘れてはならないのが、女性デュオの最高峰、WINK。
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Hot Singles
そういえばコンサートいったなあ、女性のライブは PerfumeをのぞいてWINKしか行ったことなかったのを思い出しました。そして調子にのって「夜にはぐれて〜 Where were you last night?」の低音をエコライザでアップ、さらにプリアンプをあげて大音量で鳴らしたときのこと。あれ、音割れた?
そうなんです、いくら10W+10Wといっても元々の電源容量はUSBの500mAなんですね。それを大容量コンデンサーに貯めて必要なときにパワーを出すという設計なので、無尽蔵にパワーがあるわけではありません。
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トライアングル(初回限定盤)
定番 Perfumeも同じこと。「EDGE」で低音が足りないとおもってエコライザをいじって音量をあげると容量が足りなくなることがあるんですね。特にプリアンプをいじるとてきめん。かといってあげても低音が出るかというと今度はスピーカーの構造の問題でそんなに出るわけでもないという状況に。
そうするといい案配を求めて色々とイコライザを調整しはじめるわけですよ。実はこれまで iTunesのイコライザは使ったことなく、どの音楽でもFLATで聞いてました。しかしこのアンプとスピーカーで聴くと効果てきめんに音が変わってその音楽、曲に合わせて心地いい音にしていく楽しみがあるんです。そして低音は音が変わらずに音が割れる、容量が足りなくなる瞬間があるんですね、なのでそうならないギリギリのところを攻めるという、調整の面白みにしばらくはまってしまいました。
この感覚、なんというか非力なエンジンのクルマで峠を攻めているという感じとでもいいましょうか、大排気量のクルマをかもってやる! という下克上的発想というか。とにかく楽しい! 面白い!
というわけでさらっと視聴、評価するつもりがどっぷりはまってあれ、3時間? 音楽聞くだけしかやってなくって3時間たっちゃったの? 本当、思わず我を忘れて音楽に没頭しちゃいましたよ。
しかもどれもiPod/iPhoneで何百回と聞いた定番の曲ばかり。同じ音楽でも再生環境が変わる、リビングでスピーカーを鳴らして聞くと新鮮な気分で聞けるんです。いやこれだけの音がなる USB-DAC付パワーアンプが雑誌の付録ですって!?
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DigiFi(デジファイ) No.7 別冊ステレオサウンド
DigiFiが約3000円。そして今回そのへんに転がっていたような本当に安いスピーカーでこれだけの楽しめるんですから、本当にデジタル革命万歳です。
学生の頃、周りが毎月のバイト代を注ぎ込み高級オーディオを買い揃えていくのを横目で見ていた私としては、いかにオーディオは奥が深く、そして財力がいるのだろうと恐れおののいていたものです。もともと聴く音楽が高尚ではないこともあり、再生環境は適当、ラジカセやコンポで聞いていました。
あるとき友人の高級オーディオセットでTM NETWORKの CAROLを再生したのですが、そのときの衝撃といったら。いやおんなじCDソースなのにまったく音が違うんですよ、こんなにも音がたくさん詰まっていたの!?
最近「若者の〜離れ」が叫ばれて久しいですが、当然
「若者のオーディオ離れ」
もあることでしょう。しかし私に限っていえば、若者の時はもちろん、今に至っても微塵も近づけてない、です。離れる以前の問題ですね。
だからこういうのをきっかけに、スピーカーを設置して、リビングを音楽の波で満たすというのは新鮮で、とても心地いいことでした。しかもそれを今回総額たった5000円のコストで達成できてしまうなんて、これならお小遣い制のお父さんだって、若者だってできますよ。
もちろんこれは入り口に過ぎません。オーディオの世界は奥が深く、果ては数百万の世界が広がっています。ただそれはクルマでいえばスーパーカーのようなもの。フェラーリだ、ランボルギーニだ、という前に軽自動車でもいいからまずは乗ってみる、走ってみる、ドライブにいく、楽しんでみるといいのではないでしょうか。
実は2000円スピーカー、評価が終わったらHARD OFFにまた売りに行くつもりだったのですが、しばらくそのままにしておこうと思っています。売りに行くときは、おそらく新しいスピーカーを買うときでしょう。
話によるとUSBケーブル買えたり、USB電源の取り方をかえると音が変わるそうですよ。そちらのチューニングも面白そうです、なにせ今プリンタ用のUSBケーブルですから。あとSSDのMacBookAirはノースピンドル、ファンも動かなければ回転系のノイズが皆無なので再生環境として最適です。
いや、本当に音楽って楽しいですね。
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Olasonic USBスピーカー バスパワー 10W+10W TW-S7(B)
Olasonicのお手軽 USBスピーカーもあります。こちらもオススメ。
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iPhone/iPod用スピーカーもいいですよ。愛用中です。
▼帰ってきたバッソな音! 東和電子 Olasonic(オラソニック)の小型デスクトップスピーカーで手軽にクリアなサウンド ([の] のまのしわざ)