西川善司の「NISSAN GT-R」ライフ第3回:純正の半額以下のコストで汎用バックカメラを装着
2012.05.10 寄稿者: 西川善司 (元記事)【連載記事の補完内容あり!】とのことです。
保証が維持される形での社外品の取り付けネタは色々やっていこうと思っていますが、「実用燃費とか教えて」「街中での心地はどうなの」みたいな意見も多くなってきたので、近々そのあたりの話題もやろうかと思っています。
それはさておき、今回は、バックカメラです。
日産純正ではなく、アルパインのバックビューカメラ「HCE-C90」を取り付けました。
ネット上のGT-R関連サイトを見回しても、社外品のバックカメラを取り付けたという事例がほとんどなかったので、今回のが参考になれば...と思います。
【連載】西川善司の「NISSAN GT-R」ライフ
第3回:純正の半額以下のコストで汎用バックカメラを装着
http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20120508_526366.html
掲載原稿がだいぶ長くなったので、掲載版の方は大幅なカットをしていまして、溢れた内容については、ここでフォローしたいと思います。
結果的には、ボクの場合はカーオーディオサービスで作業してもらいましたが、実は、事前に他にも見積もりは取っています。
まず、GT-Rのテストドライバーである鈴木利男さんが代表を務めるNissan R35 GT-R特約サービス工場のノルドリンクにも問い合わせたのですが「バンパー脱着があるのでバックカメラ代別、取り付け工賃は35,000円です。ただし、強く、純正をオススメします。」とのことでした。ノルドリンクはメーカーに極めて近い立場なので純正を推すのも無理はないですかね。。
セブン時代はかなりお世話になったスーパーオートバックス戸田にも相談したのですが、バックカメラ(Carrozzeria ND-BC5)商品代金込みで43,500円という見積もりでした。バックカメラND-BC5が標準価格の13,650円だと仮定すると取り付け工賃は約3万円といったところですから、やはりバンパーは脱着しての大がかりな取付になるようです。
この他、前期型2009年モデルのR35になりますが、社外のフロントカメラ、サイドビューカメラ、バックカメラを取り付け、その車両状態をYouTubeで公開して(下の動画がそれ)当時のユーザーを驚かせたオデオンにも問い合わせてみたのですが、バックカメラ(Carrozzeria ND-BC5)商品代金込みで47,250円という見積りでした。
ちなみに、詳しい取り付け方法については記事で解説していますので詳細はそちらをご覧頂きたいですが、今回の取り付けケースでは、日産ディーラーでの作業とは違って、リアバンパーを取り外さず、内装も外さず、ジャッキアップもせず、しかも約2万6千円もする純正ハーネスも使いませんので、かなりオススメです。
ちなみに、今回の取り付け事例で、カメラユニットとを既設ハーネスとキボシ接続したのはここになります。記事にも書いていますが、配線自体はリアバンパーにまで来ているんです。
それと、記事では泣く泣くカットした、GT-Rカーナビの裏メニューモードについても、ここでは紹介しておきましょう。
記事では、バックカメラを電気的に取り付けただけで終わっていますが、実は、ソフトウェア的な設定も必要になるのです。
純正のバックカメラをディーラーオプションで取り付けていない場合、GT-Rは工場出荷状態では、カーナビ側の設定においてバックカメラが無効化されているのです。
なので、カメラを物理的かつ電気的に取り付けても、そのままでは機能してくれず、明示的にカメラを有効化してやらなければならないのです。
これを行うには、カーナビ/マルチファンクションメーターの裏設定メニューを出します。
これはボクが勝手に調べてきた情報であり、オーナーズマニュアルには載っていない操作なので、自己責任でやってください。日産に問い合わせても門前払いを食うだけだと思います。
この裏設定メニューを出すには、AccON(あるいはエンジン始動状態)かつ、オーディオ・オフ状態(忘れがちなので注意)にして、[SETTING]ボタンを押したまま、[VOL]ツマミを40クリック以上回す操作を行います。
もったいぶって「裏設定メニュー」なんていってしまいましたが、実際には「故障診断」メニューという名前です(笑)。
この中の「確認・調整」を選択し、この中の「カメラシステム」項目を選択して「カメラなし」の設定状態から「リアビューカメラあり」の設定に変更してやります。
この操作を行う事で、リバースギアに入れたときに接続したカメラが起動して、その撮影映像がディスプレイ部に表示されるようになるんです。バックカメラを取り付けたあとの動作チェックには、ここまでの工程を絶対に行う必要があります。
[SETTING]ボタンを押しながら[VOL]ツマミをクリクリと40回以上回す。オーディオがオンだと音量操作になってしまうだけでダメなので注意。
「カメラシステム」を選択
「カメラなし」になっている設定を変更する
「リアビューカメラあり」を設定する。ちなみに、カーオーディオサービスではその下の「リア+サイドビューカメラ」の取り付けの相談にも乗ってくれるらしい
「ただ後ろの情景を映すだけ」という用途ではこれだけでOKなんですが、さらに欲張りたい人は、自車の後退軌道を予測する補助線を出す設定に挑戦してみてください。
これを有効化すると、直線後退したときの予想進路だけでなく、ステアリングのリアルタイムのキレ角に連動した予想後退進路までをグラフィック表示してくれるようになります。使い勝手が純正と全く同じになります。
まず手始めに、裏設定メニューの「確認・調整」-「カメラシステム」階層下の「コンフィグ確認/修正」に入って、「予想進路線」設定を「なし」から「あり」にします。
裏設定メニューの「確認・調整」-「カメラシステム」階層下の「コンフィグ確認/修正」に入る
「予想進路線」設定を「なし」から「あり」にする
ただ、これだけではだめで、車両の寸法情報や走行性能情報、カメラの取付角度情報などを1つ1つ入力していく必要があります。
純正バックカメラでは、以下のような設定値の入力が奨励されているので、まずは、これを基準値として入れてみましょう。
一部のパラメータは「マイナス」になっている点に注意してください。
実際のメニュー画面には、これ以外にもパラメータがありますが、ここで紹介していないパラメータはデフォルトの「0.0」のままで「入力は不要」というスタンスでOKです。
これでだいぶそれらしい画面が出てきたはずですが、そこに描画されている予想進路線と実際の進路とはずれてしまっているかもしれません。
この「ズレ」は、たとえ純正バックカメラと取り付け位置を同じにしたとしても、カメラの取付角度が微妙に異なっていることや、あるいは純正バックカメラと社外バックカメラとのスペックの違いから起こります。
一番響いてくるのは撮影画角です。純正バックカメラでは水平130°、垂直97°なのに対し、ボクが取り付けたHCE-C90は水平140°、垂直104°と、よりワイドになっています。
予想進路と実効進路とを整合させるためには、スーパーマーケットなどの白線の引いてある広い駐車場に行って、上記パラメータを調整しては走行実験を繰り返し...をやっていくしかありません(安全に気を付けて行ってください)。
ボクの、取り付けて間もない現状での"つたない"ノウハウを紹介しておきますと、まずは、上記パラメータの「リア上下角度」を調整しつつ、裏設定メニュー内の「カメラシステム」階層下にある「リアビューカメラ描画線補正」機能を使って駐車場に描かれた白い枠線のおよその角度や位置を一致させることからはじめてください。
「リアビューカメラ描画線補正」メニュー。ここで上下左右、回転方向の補正はGUIベースで可能。
その後は、情景の奥行き方向の萎み具合が調整出来るリア係数C1~D2をいじってみてください。
ボクのHCE-C90の場合では、リア係数C2を480→460に変更することで補助線と実景の位置関係がうまく適合していました。
また、ボクのHCE-C90のケースでは、補助線の幅が、実際の車幅よりもかなり広めに描かれる傾向があったので、1.895→1.8としました。
ちなみに、ボク自身が確認したわけではないですが、フェアレディZ(Z34)などの近年の日産車のメーカーオプション・カーナビでは、今回紹介した操作で裏設定メニューに入れるようですね。
黄色いラインが、ステアリングの舵角に応じて変化するリアルタイム予想進路。破線の補助線はステアリングを中央にしたときの予想進路
何度か調整を繰り返し、補助線が実効進路と一致させることに成功
駐車場の停車枠に破線が一致したらステアリングを中央にして後退
車止めや停車枠の端の線が、映像下にわずかに見える自車ボディの下部に隠れれば、リアディフューザの後端が丁度その直上に来るようなイメージ