「高速道路のあり方検討有識者委員会」 議事録から:縦割り行政の弊害
2012.03.08「高速道路のあり方」を検討する有識者委員会というのがあるんですね。
その議事録から。
第12回 高速道路のあり方検討有識者委員会 議事録平成23年10月31日
【松原副大臣】大変にすばらしいご指摘で私も一つ一つ同感をしているのですが、従来民主党はB/Cを専らいろいろな物の価値基準にしてまいりまして、Bに日本の場合は時間短縮便益等いくつか入っていますが、諸外国はもっと入っている事例もあると。この議論の時に数値化はどこまでできるかというのは非常に難しいと思うのですが、災害対応とか例えば国際競争力の分野まで落とし込めるのかどうかというのをぜひ検討していただければと思います。難しいなら難しいということですが、災害なんかはそれをどう評価するのかというのが、そこは直感でやるぞというのではなくて、可能であれば、一般の国民にわかりやすい指標というのは"見える意思決定"ということで必要なのかなということの指摘が地元にもあって、議論するとそんな声もあったのでご報告します。
もう1 点は先ほど高速道路を含めてフランスなんかは全然キロ数が上を走っているわけですよね。そういうのは私は違うような気がしていて、やはり国際競争力の一つはどれぐらいのスピードで走り切れるかというのはあると思うのですが、そのいわゆる上限の速度というのは警察が決めてるんですよね。そのとき国土交通省側は、これだったら90 ㎞/h でいいです
よと。例えばここからだと羽田空港に行く道があって、途中で高速の下の道なんかはどう考えたって、信号がなければ何にもなくて事実上高速道路なんですよ。でもスピード制限があるからゆっくりみんな走ってるんです。ああいうのがすごい無駄な気がしてならなくてですね。同じようなものはいくつか散見していますので。
こういうスピードの設定等どういうふうになされているのかまた検討していただいて、つまりハードは出来ていてソフトの部分の何かをいじることによって国際競争力が増す部分というのはあろうかと思うので、またご検討いただきたいと思います。
ハード、つまり高速道路という道路を作るのは国道交通省、そしてソフト、制限速度を定めるのは警察というところがとても「縦割り」で日本らしいところです。
たとえ国土交通省が140km/hで新東名を設計したとしても、警察が100km/h制限にしてしまえば意味がないわけです。かけたコストがもったいない、ということになってしまいました。
これは戦中の陸軍と海軍の争いみたいなもので、政争の合間にアメリカと戦っていたというほど日本では縦割りによる揉め事が大事で、民衆の利便性や国際競争力は二の次、三の次になってしまいます。
もう少しうまくいきませんかね。
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