新型日産デイズ4WDの雪上ハンドリングが抜群 #日産雪上試乗会
2020.03.09昨年フルモデルチェンジして生まれ変わった日産デイズ。今回の開発は日産が主導ということでエンジン、ミッション、パッケージングまで刷新されましたが基本はFF。今回は4WDモデルを北海道の雪上で試乗してきました。
トラクション性能で他を圧倒
舗装路ではどうしても660ccの限られた排気量と、馬力自主規制のために非力さが否めない軽自動車。しかし低ミュー路となる雪上では勝手が異なります。過大なパワーは虚しくタイヤを空転させるだけ、むしろパワーをいかにトラクションに変えて走るかが鍵となります。
走り出しこそは軽自動車っぽさを感じますが、一度走り出すとグイグイと前に進み非力さを感じません。むしろABSを効かせながらのフルブレーキングでは普通車と比較して軽量な車体のため、制動距離も短く安心感が高いです。
そしてパイロンスラロームの様子は後輪駆動のスカイライン、前輪駆動のEV・リーフとの比較動画でどうぞ。
後輪駆動のスカイラインは400馬力の400R。これをVDCナシで走らせています。
オーバーアクションなドリフト走行には向いていますが、前に進むという点ではなかなか前に進みません。もちろんVDC ONにすればまっすぐ走るのですが、ファントゥドライブはスポイルされてしまいます。
前輪駆動のリーフはVDC ON。というのも雪上では制御が効きすぎてアクセルを踏んでもまったく進まないからで、ハンドリングもVDC OFFではずっと強いアンダーステアが続くのみ。エンジンに比べて制御がキメ細かく、1/1000秒以下で出力制御するため確実に凍結路、積雪路を掴むことや車体中央にバッテリーが搭載されるのでトラクションは高いのですが、あまりに去勢されすぎていてファントゥドライブには欠けました。
そして4WDのデイズ。この4WDの機構は三菱製の先代からのキャリーオーバーということで技術的には目新しいものではありません。フロントが滑ったらリアがついてくるという一般的なもの。
しかし軽量な車体とハンドルに鼻先がついてくることでパイロンギリギリのラインを狙っても、フロントがついてくる、リアがついてくる、VDC OFFにもかかわらずオンザレールの正確なハンドリングでまさにファントゥドライブ。ハンドルの切り角をみればわかるように、少ないんですよね。
VDC OFFで正確なハンドリングが実現できているということは、車体本体、いわゆるシャーシ性能が高いことに他なりません。とにかくフロントとリアのバランスが絶妙だと感じました。
それもそのはず、実はデイズの開発責任者はこれまでZやGT-Rを開発してきたスポーツカー畑の方。上司との面談で、
「ぼくは一生スポーツカーを作りたいです!」
「わかった、じゃあ軽自動車ね」
「え!?」
という経緯でアサインされたということで、たとえ軽自動車であっても技術の日産の本懐はここにあり、というほどの完成度でした。正直一番期待していなかったのですが、もっとも驚かされました。
レンタカーで借りられる普通のモデル
さらに驚いたのは、このデイズ4WDは特別なスポーツモデルの試乗車ではなく、なんと道内のレンタカー屋で借りてきた、誰でも借りられる普通のモデルだったのです。
たしかにナンバーが「わ」ナンバーですね。
兼ねてから自動車は現代のモビルスーツ、人間の身体能力を拡張するものだと思っていますが、このデイズ4WDは一体感が高く、思い通りに動かせるのでモビルスーツ感が高かったです。
北海道の雪道でドライブすることになったら、レンタカーでデイズ4WDを借りるのがもっともファントゥドライブです。値段も安いし、オススメできます。
【公式サイト】日産:デイズ [ DAYZ ] 軽自動車 | 走行・安全