電動アシストサイクル・ヤマハPAS、ここが凄い!(2)業務向け PAS GEAR CARGO
2014.02.21武骨なパイプフレームが男心をくすぐります。
その名も PAS GEAR CARGO(パス・ギア・カーゴ)。前半分は普通のPASなのですが、後ろが凄い、なんとこれ、合体分離メカなのです。
横にあるロックレバーを外すと...
荷台の前輪が下に降りてきて、手押し車になるという仕組み。
もう一度、角度をかえてみてみましょう。
ここから前にガチャーン!
前輪が自動的に畳まれて内蔵されるんです。まさに合体メカ!
駆動は左後輪の1輪のみ。スタンドがない代わりにハンドブレーキを装備し、ロックできます。
長めのチェーンで後ろのシャフトを回して左後輪に駆動力を伝える仕組み。左右輪駆動としなかったのは内輪差がでたときタイトコーナーブレーキング現象が起きてしまうためで、小回り性能を優先させた結果。
小回りの工夫はこのフレームのマウントにもあります。
荷台はバネで固定されており、左右に傾けるとバネの力で保持できるという仕組み。
ハンドルで曲がるというよりも、体重移動させ車体を傾けて曲がる、バイクのような乗り物となっていました。
そして驚くのはその積載量。
本体の前カゴに3kg、荷台は20kg、そして合体分離可能な手押し車は100kgまで積載可能!
これは法令でそうなっているということで、小型バイクの積載量が最大30kgとなっているのと比較すると、実に4倍。速度が遅いので123kgでもいいのですかね、もはやバイクの自重ほどですよ。
イメージ的には自転車に大八車、リヤカーを付けているといったところでしょうか。まさに働く自転車、最近台車で配達する宅配便が多く見かけますが、これに採用されるのでしょうか。
と思ったら、これはヤマト運輸との共同開発とのこと。だからここまできめ細かくプロ仕様になっていたのですね、納得です。
とにかくこの合体分離メカニズム、カッコイイですし、効率的です。自転車なら駐車禁止もありませんし、場所もとらず、免許不要。街の主役になるかも知れません。
牽引車よろしく、手押し車の方にも反射板が付いています。
試乗
実際に40kgのダミー荷物を乗せて走ってみました。40kgというとそれなりの重さですが、まったくそんな重さを感じない走り。発進時に左に傾いて左に曲がってしまったのですが、ハンドルではなく体重移動で曲がるという、バイクのような感覚で運転すると乗りやすいです。バネがついているので思いっきり傾けても内側に倒れることはまずありません。
あと意外と車幅があるので、前が通れたからといって後ろが通れるとは限りません。後ろの車幅を意識しながら運転するのがいいでしょう。
法令で荷物しか乗せられませんけど、ベンチをつけて観光用にするとか、新しい発展がありそうです。
電動アシスト付きはこれまで限られた特別な自転車と思っていましたが、完成度が高くなってきた昨今、積載量、安定性を考えると3輪車はありです。シティコミューターとしてマイクロEVがありますが、どうしても免許が必要。自転車なら免許不要で手軽ですし、ひとつの選択肢となりそうですね。