NGK担当者に聞く、正しいプラグの選び方 #TAS2014
2014.01.11プラグ。それはエンジンの調子を司る大事な部品のひとつ。
内燃機関として正しく燃焼できるかどうかはプラグにかかっているといっても過言ではありません。しかしプラグ交換といった時に、何を選んでいいのやら...
ということで担当者に色々質問してみました。
NGKスパークプラグ プラグスタジオ -日本特殊陶業- [NGK PLUG STUDIO]
一に熱価、二に熱価。三四がなくて、五に適応表
プラグ、というかシリンダーは適正な燃焼温度があります。その燃焼温度をいかに制御するかがカギ。プラグの「熱価」は熱の逃げやすさ(熱くなりすぎない)を表したもので、熱を持ちすぎるとプラグが溶けてしまいます。なのでチューンナップしたエンジンやレースエンジンなど燃焼温度の高い状態での使用では熱価を上げる必要があります。
一方通常のエンジンに熱価の高い=熱の逃げやすいプラグを使うとどうなるかというと、燃焼温度が上がらずに不完全燃焼、いわゆる「カブった」状態になります。
この燃焼状態をみるには未だにプラグの焼け具合を見て判断するのが一般的で、
- 白っぽい(やけすぎ)
- こんがりきつね色(正常)
- 黒っぽい(カーボンが付着、カブっている)
から判断します。
プラグに起こる現象と対処方法|NGKスパークプラグ プラグスタジオ
通常はノーマルエンジンの熱価と同じものを使用。チューンナップの程度といっても一概には言えないので、あとは個体での判断になるとのこと。その際にみるのは適合表で適合するプラグの中から選んでほしいとのこと。
イリジウムプラグ、IRIWAY、IRITOP、IRIMAC、レーシングプラグはなにがどう違うの?
ひとくちにイリジウムプラグといってもたくさんあります。何が違うのでしょう?
愛称が異なるだけで、中身はほぼ同じ。それぞれ径や長さが違うもので、適合表を参考に選んで下さい、とのこと。
レーシングプラグは熱価が高いものだけがラインナップされる特殊用途のプラグ。あくまでも基本は燃焼温度であり、熱の持ち方で熱価を選びましょう。
熱価をあげすぎてプラグが冷え過ぎると不完全燃焼が起き、電極の周辺に燃え残りの煤(スス)が付着します。ススはカーボン、カーボンは電気を通す特性を持つので電気が電極ではなく周辺のカーボンを伝って流れることで正常に火花が飛ばなくなるとのこと。
プラグに起こる現象と対処方法|NGKスパークプラグ プラグスタジオ
プラグの寿命は本当に10万キロ?
「ぶっちゃけ、プラグってどれくらいもつの? もっと早く交換した方がいいんじゃないですか?」
オイル交換もメーカー推奨より早いサイクルで交換したほうが気持ちも、回りもいいもの。プラグもそうなのかと思ったところ、いや全然10万キロどころか、もっといけますよ、とのこと。トヨタなど他社では20万キロを謳うところも出るなか、実際問題プラグは適正に使えば耐久性はまったく問題ないそうです。
NGKプラグ F1通算 300勝
NGKはF1エンジンに使用され、通算300勝を達成。F1の環境で平気なのですから、そりゃ市販車の耐久性は間違いないです。
極論すれば10年で1万キロしか走らなかったら、100年10万キロは持つ計算です。それくらいプラグは丈夫。
ただしプラグの劣化は火花が出た回数に比例するので、渋滞でアイドリングばかりしていても劣化は進みます。それを加味してプラグを管理しましょう。