日産の現在・過去・未来を伝える大試乗会(4):370Z NISMO 6MT #nissan360
2013.09.15今度は個人的にお気に入り、370ZのしかもNISMOバージョン、大好きな白、さらにリアウィングがでかい、高い、かっこいい! と好物だらけ。
▼ DSC ONでの最初の走行
370Z NISMO、まずブレーキがよく効きます。感心しながらスラロームに入るとなんだか様子がおかしい...ハンドルに対してのノーズの入りというか反応が遅れるんですね。そしてアクセルをあけると今度はダスティな路面のせいでスロットルは自動的にオフに。DSCが介入しまくって、どうにもアクセルでも姿勢が作れません。ハンドルでもアクセルでも姿勢が作れず、ヨーの中心はドアの後ろ側にあって、まあ伝統的なZのハンドリングといってしまえばそうなのですが、今一歩。 フロント荷重をどうやって作るかが課題です。
DSCをOFFにしたらもう少し素直になるような気がしてスイッチを探すのですがありません。おかしいなあ...と思っていたら、なんとスイッチに黒いシールが貼ってあって隠されていた!(笑)
▼ 私の走行写真
DSCをOFFにして走ってみるものの、当たり前なのですがフロントの動きは変わらず。アクセルを開けた時に今度はダスティな路面でリアが暴れてアンダー・オーバーが激しい、いわゆるリバースステアな動きに。なんだかこれ、どこかで経験あるなあと思ったら私が乗っていたS13シルビアの動きであったり、スカイライン・クーペ(G37、後のInfiniti Q60)の動きにそっくり。いわゆる古き良き日産車の伝統のハンドリングです。
それはそうと、突然係員から声がかかり、パフォーマンスコースの待合スペースで暇つぶしでやっていたPS3/GT5の筑波タイムアタックのタイムがいいから、上位の何名かで370Z NISMOでタイムアタックをやると言われました。
実車を使ってのタイムアタック?
なにせ英語ですからね、なにかの間違いでしょう。PS3/GT5でやるに違いないと思っていたので最初にやるひとと言われて手をあげて1番バッターに。速くこのGT5を終わらせて、他のクルマのりに行かなきゃと思っていたら、あれれ、光電管がでてきたぞ。え、まじに370Z NISMOでやるの!?
確かにホワイトボードにはそっと
「on the track! nismo Z」
と書いてあった...
ということで一番手、最初にタイムアタックです。直前にDSC OFFで練習しておいてよかった。
▼光電管をつかってタイムアタック
最初のブレーキング、いつもその場所はフルブレーキでやっており、ブレーキポイントが分からず。そっとやってみるとブレーキが余りまくり、まったく攻められなかったものの、あとのスラロームはさすが練習しただけのことはあり、これまでの中では一番調子よく抜けられました。結構いいタイムが出ているはず。
降りてみると
「これまでで1番いいタイムだったよ! 一人しかタイムアタックしてないからね(笑)」
とのこと。そりゃそうだ。
そしてその後2人がタイムアタックして、なんと1000分の9秒差でトップをキープ。最後にDinoさんがタイムアタック、その結果は...
0.4秒差で逆転負け、2位転落です。よく見るとGT5の結果と同じ。最初のブレーキを攻められなかったのが悔やまれます。Dinoさんに DSCはOFFにしたのか?と聞いてみると、いやしてない、ONにしてた方が速いよ、とのこと。そうかなあ、トラクション抜けちゃうんだけど。
370Zはレーシング(空ぶかし)でエンジン回転数はほとんど上がらないものの、実際にはトルク感があり簡単にホイールスピンするほどのパワー。DSC OFFではスタートでホイールスピンが多い感じです。特にいいのはブレーキ、よく効くしコントロール性も良さそうです。一方で気になるのはとにかくフロントの動きが鈍い点、そしてDSC ONではすぐにトラクションコントロールがかかってしまい、失速感が強いことです。DSC OFFにすれば解決するかというとそうでもなく、フロントとリアのバランスが悪い印象。ざっと考えるとフロントの伸び側を締めて、フロントの舵の効きをよくしてからリアは考えるといったところでしょうか。
Juke NISMOの足が好印象、ロールを活かして曲がっていく感覚はルノー的で新しいフェイズに入ったと思ったのですが、370Z NISMOは古き良き日産のFR車的風情のままでした。同じNISMOでもこうも違うとは意外です。
次回はG37、現在のQ60のクーペとカブリオレ IPLを試します。さてハンドリングはいかに。
(つづく)