日産の現在・過去・未来を伝える大試乗会(13):日産ヘリテージとDatsun復活 #nissan360
2013.09.24
現在の延長にあるのが未来。その未来像を作りだすのに過去を振り返ることは一つの手段。日本の自動車産業で長い歴史をもつ日産自動車は国内外で評価されています。
▼ Datsun Pickup Truck
▼ Datsun 510 BRE
▼ Skyline 2000GT S54
▼ カンガルーがぶつかったとされる凹みが生々しい Datsun 1000 Sedan 210 "Fuji"
▼ Datsun 240Z
ダットサン。日産のアメリカ輸出向けブランドとして、輝かしいネーミングです。240Zは特に私のお気に入り、子供心に流麗で諸外国のスポーツカーに負けないデザインに心ときめいたものです。特にGノーズがお気に入り。
このダットサンが新興国向けのブランドとして復活です。
▼ Datsun GO
奇をてらわない、正統派5ドアハッチバックはマイカーを初めて持つファミリー向け。我々の感覚からすると安いですが、新興国にとってはまだまだ高根の花。多少無理してパパがかっても堂々として自慢できるデザインを目指したとしており、特に流行している軽自動車規格のクルマに対して幅が広くどっしりと安定したイメージを与えます。
マイカーブーム。
日本でも1960~1970年代の高度成長期にありました。うちの最初のマイカーは私が幼稚園の頃、長野の御代田に住んでいた頃、私はよく覚えていないのですがスズキ・フロンテ 3HB、リアエンジンだったようです。神奈川県に引っ越してからしばらくなく、小学4、5年生の頃に突然20万円で買ってきたのがトヨタ・セリカ1600GTでした。これはエアコン、カーステ、パワーウィンドウ付、しかも名機2T-G、DOHCエンジンと最高でしたがいかんせん有鉛ガソリン仕様。有鉛ガソリンの消滅とともに乗れなくなり、処分されてしまいました。
最初にマイカーに乗った時は衝撃的でした。一家4人(当時)、親子4人で多分とても狭かったであろうリアエンジンのフロンテの後部座席に収まり、長野の白樺あふれる街並みを通り抜けた時のことを今でも鮮明に覚えています。
ドライブなんて洒落たものは行けていませんでしたが、行動範囲は広がり今でいうところのアウトレット(リサイクルショップ)に行ったりしました。
自動車は自分がふと思ったときに、エンジンをかけて走りだすだけでよいのです。切符を買う必要もありません。雨が降っても室内は濡れません。重い荷物も運ぶ必要がありません。この利便性と快適性が世界を自動車へと駆り立てるのでしょう。
日本では車離れ、といっていますが、世界的にみれば、特に新興国では逆で生活を豊かにしたいために車が欲しい、というのが趨勢です。
ここで重要なのが「オフォーダビリティ(affordability)」。
スーパーカーが高嶺の花で買えないのは仕方ないですが、ファミリーカーがそうであってはなりません。手に入れられること、が大切です。このDatsun GOは、改めて日本でおきたマイカーブームのように、新興国のファミリーに向けて、マイカーブームを牽引する立役者となるべく「手に入れられる」ことを命題に生まれました。
私が初めて乗った軽自動車に比べればエアコンはあるし、USB端子がついてスマホがつながるなど先進的すぎて、当時の私からすれば「超豪華車」に分類されるほどの仕様です。
私がDatsun 240Zに憧れをもったように、新興国の人たちが Datsunに、NISSANに憧れをもつようになるといいですね。