ついに復刻...MASTERキートン完全版が熱すぎる
2011.09.12 寄稿者: norio (元記事)浦沢直樹の名作MASTERキートンが復刻です。
著作権問題でもめて廃刊、その後どうなることかと気をもんでいましたけど無事に復活ですね。絵は発展途上で多少変化が見られますが、その内容の深さは今に通じます。これくらいの読み切り、短編が分かりやすくていいですね。昨今の長編モノは完結してから読み直さないとサッパリストーリーが追えませんw
この世界には、傑作と呼ばれる漫画が多数あります。そのほとんどは何度も何度も版を重ねながら今の時代まで受け継がれてきており、いまだ新品の冊子を買うことができることがほとんどです。しかし、中には様々な大人の事情から「絶版」になってしまい、世の中から忘れ去られそうになってしまっている傑作もあるのです。
今日紹介するMASTERキートン(マスターキートン)も、そんな「絶版」漫画の1つでした。
主人公の平賀・キートン・太一は、考古学者にして、英国特殊部隊のサバイバル指導教官でもあり、また保険会社の調査員(実質的な探偵)でもあるという、知力・体力・行動力に長けた人物。そんな彼が、不可解な事件や問題を解決していく...というのが話の骨子ではありますが、これだけではこの漫画の魅力は10%も伝わらないでしょう。この漫画が凄まじいのは、1話1話の持つプロットの見事さであり、そしてまるで落語の傑作を見ているかのような味わい深いオチでもあります。
たとえば。
タクラマカン砂漠に放り出された時、自分を含む仲間と数日間を生き延びるべく、彼がとった方法の見事さ。
テログループに人質を取られた際の、奪還作戦におけるノウハウとあざとさ。
拳銃・ナイフを持った相手に対し、自然の地形や自然よりつくられる古代武器を使って戦う機転のすばらしさ。
そのどれもが、このMASTERキートンという傑作の一部であり、魅力となっているのです。常に読者は「思いもよらない、いや、想像さえもできない未知の体験をする」これこそが、MASTERキートンの真骨頂ではないでしょうか。
と、語っても正直ダメだと思っています。この漫画ばかしは読まなければダメでしょう。だまされたと思って、下のAmazonからでもいいし、行き帰りの道にある書店でもいいので、買ってみてください。つまらなかったら中古店に売ってもいいです。とにかく、1巻を読んでみてください。お願いします。